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yurikamomeの日々


カムチャッカの旅 (7) ~ 海を揺られて楽園へ  (観光2日目の後半)

“海鳥の楽園” スタリチコフ島の近くに停泊中、我々は釣りを楽しむことができた。
船に何本も釣竿が備えつけられており、餌も既に付いている。至れり尽くせりだ。

このクルーズ船の船長が釣りが得意らしく、余裕の表情で次々と獲物を引き上げていた。
それを横目に、私を含め何人かの素人チャレンジャーは、心もとない顔つきで海中に
垂れた釣り糸を眺め、時々、何か手応えがあったような錯覚を覚えて無駄にリールを
巻いてみたりする。
しかしその先には、やはり同じ餌がボヨ~ンと付いているだけなのであった。

数メートルと離れていない位置で、何故船長ばかりが魚を釣れるのだろう。
全く不思議でたまらない・・・と思っているうち、一羽のカモメが波に乗って近づいてきた。
彼は波に揺られながら、我々の方をずっと向いている。
「私たち、カモメに笑われてますよ~」 と、隣で釣り糸を垂れている女性が言った。
釣れないのでつまらなくなってきた私はいつしか、左手で竿を押さえつつ右手で
デジカメを構えてカモメを追うという邪道に出ていた。

このカモメ、あとから写真を見てカモメ識別本と照らし合わせてみると、ミツユビカモメと
いう種類のようだ。目の後ろに大きな三日月状の斑点があって愛らしい。
目の後ろの斑点といえばユリカモメの冬羽もそうだが、形や大きさがちょっと違う。
(ちなみにこの時期のユリカモメは夏羽で、顔全体が黒く、冬羽とは似ても似つかない
のである。後で、市内観光の中央バザールにてガングロのユリカモメに遭遇する。)
カムチャッカの旅 (7) ~ 海を揺られて楽園へ  (観光2日目の後半)_f0071144_163880.jpg

私にシャッターチャンスを許してから、ミツユビ君は去っていった。

この辺りでよく連れるのは、オヒョウという魚らしい。
船長や我々(の一部) が釣ったオヒョウは、後で調理してくれるという。
その前に、船室には食事が並べられ、昼食タイムとなった。

昼食のメニューは、定番のサラミとチーズとパン、それにトマトやきゅうりのサラダの
他に、魚のスープが出てきてこれは絶品だった。
我々13名のツアー客は、2つの船室に適当に分かれて食事をした。
私のほうの部屋のメンバーは何故か年齢が高めの人が集まっていて、これまた
戦時中の体験が語られたりしていた。
その日はちょうど、長崎に原爆が投下された8月9日。
「あなたみたいに若い人は、戦争のことなんて想像もつかないでしょ」 などと
言われながら私は、こういうことを身をもって語れる人々も今後どんどん少なくなって
しまうのだ・・・と、噛みしめるような思いで聞いていた。

が、このあとにお楽しみのカニが出てくるとあって、戦争を語り合っていた
おばちゃんたちも 「美味しいからってあんまりご飯食べると、カニが入らなくなるわねぇ」
などといつの間にかウキウキしていた。
カニは生きたものが予め船に積まれており、途中で船のスタッフがバケツみたいな
ものから出して見せてくれて、我々はたいへん楽しみにしていたのだ。

 (これがそのカニ。ウニもついてる)
カムチャッカの旅 (7) ~ 海を揺られて楽園へ  (観光2日目の後半)_f0071144_174046.jpg

間もなく、船尾部分のデッキに置かれたテーブルに茹でたカニが並べられた。
なんと、我々一人につき一ぱいくらいの割り当てがあるらしい。
双眼鏡とデジカメの覗き過ぎであまり気分が芳しくなくなってきていた私は、
「カニは別に要らないかも・・・」 と気弱になっていたが、
皆があまり美味しそうに夢中になって食べているのを見て仲間に加わった。

しかし、食べ始めると気分はあっという間に急上昇。
海水で茹でているらしいので塩味がちょっと強かったが、身の感触といい、香りといい、
これまでに食べたことのないほど美味しく感じられた。
しかも丸々一匹が自分の胃袋に・・・・・。

この豪華なサービスは、毎回行われているわけではないという。
カニが十分に捕れた時だけなのだろう。
そう思うと、たいへんラッキーであった。

それから、先ほど釣れたオヒョウの空揚げが登場。
船のスタッフが調理場でせっせと揚げてくれていた。
オヒョウって何だかよく分からない魚なので期待していなかったのだが、これがまた、
あまりにも旨くて感激してしまった。
本当に、新鮮なものってこんなにおいしいのだ。

お腹いっぱい、胸いっぱいで満足感に浸りつつ、船はまた湾内へと戻っていく。
海上を吹き渡る風、青空に白い体を光らせながら舞い飛ぶカモメ、波の上すれすれを
通り過ぎるエトピリカの群れ・・・
海鳥の楽園を目指したこの短い船旅は、私にとってもまさに楽園であった。

カムチャッカの旅 (7) ~ 海を揺られて楽園へ  (観光2日目の後半)_f0071144_1101621.jpg

ところで、船上の窓ガラスに写った景色を撮ってみた。
なんとなく夕日のようなロマンチックな雰囲気だが (←自分で言うなって)、実は
窓ガラスに色が付いているのであって、実際は真昼間。
擬似夕日、いやバーチャル夕日といったところか。

船を下りると、(まだあるのである・・・・) 市内観光が控えている。
短い時間だが買い物もできた。
そして晩には、ご当地の楽しい踊りを鑑賞。
これも余すところなく、次号に記載する (意地でも・・・)。
by yurikamome0403 | 2007-08-28 01:23 | ☆07年 カムチャツカ紀行 | Comments(2)
Commented by bulbul at 2007-08-29 15:11 x
 うらまやしぃーっ !!
Commented by yurikamome0403 at 2007-08-30 18:49
この日のクルージングが私にとっては一番の思い出となりました…

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趣味は ドラムを叩くこと & カモメの追っかけ です。
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